“ライダー”への熱きオマージュ…「 上田 周平 作品展 ショウルーム 」

Category : 現代美術シッタカぶり
3月1日→3月6日【 ART SPACE NIJI 】

1980年生まれの上田さんの変身ヒーローは「仮面ライダー BLACK RX」。
文字通りヒーローはバイクに股がったライダーである。
上田さんが以後、バイクに限りなくのめり込むことになったきっかけが
ここが起点である可能性は高い。
ご主人の騎乗を待つギャラリーの前に置かれたマシンを見る眼差しも
バイクが心から好きな“アレ”である。
おそらくは仮面ライダーに抱いていた願望や憧憬と
プロライダーへの畏敬の念というものの延長上にこれらの作品がある。
変身ヒーローから伸びた線と命を張ったプロ選手から伸びた線。
愛すべき世界と爆音が鳴り響くリアルな世界。
このヘルメットシリーズは成るべくして成ったという
上田さんのそんな創意の交差点だったのかも知れない。
バイクが大好きな上田さんにとってはごく自然な流れであろう。
好きなものと好きなことを結びつけると楽しくも
人間結構いろんな部分にナーバスになる。
言い換えれば“熱く”なるのである。
ライダーにとってヘルメットは首から上をガードする甲冑であり、
同時にセンスの見せ所でもあるだろう。

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FRPで作られたフルフェイスのシールド部分は人間のマスクになっていて
人の顔に被られている不思議な感覚を呼び起こす。
なぜならヘルメットのサイズに合わせてマスクが作られているためである。
当然ヘルメットの両サイドには耳もついている。
無知なる僕は思わず「これはもう製品化しかないですよね」と尋ねると
作者は言う。
「ヘルメットの規制はかなり厳しくて、突起物はもうアウトなんです。
転倒や衝突の際に突起による内側へのダメージがキツいからです」と。
なるほどもっともな話だ。
ちなみに見ることなどないであろうヘルメットメーカーのHPを覗いてみると
どれも風切り音や軽量・小型化、
空気調整のできるベンチレーション(通気口)といった性能性が
利用者の一つのバロメーターとなっていることがわかる。
だからこそこれが彫刻として存在できる所以なのだ。
プロトタイプとして制作されたものであったり、目論みがあれば
そこに“感覚の隙間”は存在しまい。

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3年前の「富士火災アートスペース 2009」で見事受賞された
彫刻「父とケニーと僕」はすでにヘルメット作品である。
この頃に自らの「バイク世界」と「彫刻世界」の接点が
上田さんの中ではっきりと具体化している。
また同じく2009年に大阪アートコートギャラリーに出展された作品は
タイトルを「父と僕の91年鈴鹿」というヘルメット作品。
どちらにも父というキーワードが印象的で、
バイクへの傾倒はお父さんの影響なのかも知れないな、などと想像する。

バイクそのもの、ライダーたち、そして変身ヒーローへの
上田さんなりのオマージュ、思いのたけが放たれた個展でした。

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▲こちらはラテックスで作った女性用ライダースーツ。
 上田さんの名刺には「上田ヘルメット制作所」とある。
 ギャラリーのロゴもバイクショップ風にアレンジするという凝り様。


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Comment

No title

好きです。おもしろいですね。
バイク好きの方のオシャレなリビングのオブジェにもいいし、あと、
仮面戦隊ヘルメットレンジャーとかでもいけそうっ!!

あの~~・・アートとはほど遠いお話しですが、
昔、原付バイクでもヘルメット着用になった時に、髪型が崩れるのでいやだな~~。と、ふと考え付いたのが、ヘアースタイル付きヘルメット。リーゼントバージョンとか、モヒカンバージョンとか、アフロバージョンとか・・・うわっ、これいける!売れるかもっ!!って思ってたけれど、規定外ですぐさまアウトですね。(笑)
そんな、昔のことを思い出させてくれました。

to CHEEKYマミーさん

好きなことを自分なりのアートにリンクすると
こうも愛情あふれたものになるんだな、と。
そんな感じでした。
僕はバイクには縁がない人間なんですが
バイクの美しさはよくわかります。
三点倒立で待っているバイクも美しいし、
二点の設置面で走る姿もこれまた美しい…
クルマには無い魅力があります。

かっこいい

あるようでなかった発想
しかも規格外で使えない・・・それこそがアートですね
耳までついてるなんて面白い

女子のスーツには胸の位置が微妙に下・・・と思わせる遊び心もいいですね

仮面ライダーは大好きで、仮面ライダーデイケイドでは平成ライダー10人はもちろん昭和のライダーも出て来て子供と一緒にハマりました。
上田さんはRXなんですね~
それもスゴイ~

to 93さん

僕はもちろん仮面ライダー世代ではありませんので
その辺の話が全くできないのが…もどかしいです(笑)

実は裏話なんですがあのライダースーツはもっと
ボッキュンボン!だったそうで、
ラテックス素材が伸びてしまったらしいんです。
胸の位置もそんな理由で…
異様に大きいのに(あのサイズはヘルメットに合わせてあります)
とてもリアルでとにかくよく出来てました。
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