妄想を生む見えない媒質…「 児玉 真人 m e d i u m 」

Category : 現代美術シッタカぶり
3月22日→4月3日【 GALLERY ARTISLONG 】

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活字合金。
これは文字通り活版印刷に使われる活字の材質。
微細な鋳型にくまなく行き渡る流動性と
固まった時に縮む度合いの少ない性質で、
壁面に立てかけたように展示されているのは
その活字合金でできた円形の骨のオブジェ。
児玉さんはクジラの骨の化石を手にした時の
最大のほ乳動物が放つダイナミズムと
辿ってきた時間の塊を手にしたような、
驚きと神秘性をこの作品に投影した。
骨のディテールも実に精度が高く、
真円であることに禅宗でいうところの「円相図」を思い浮かべた。
円は限りなく循環し続け、欠けることがない真理を表していると言われる。
このシンプルな幾何的な造形に宇宙や悟り、真理を象徴させた「円相」と
ホエールウォッチングでの見所として知られる
「ブリーチング」とが僕の中で重なる。
その状態の背骨は確かにこのようになっているのかも知れない、と。

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▲例によって真下からのアングル

何よりも目をひくのは
ギャラリーの中央に置かれたかなり大きな観覧車。
その“作り込み”方もまた心くすぐるギミカルなもの。
観覧車のゴンドラはオウムガイ。
この作品のサイズはオウムガイから算出されたものと予想する。
この観覧車の動力源は台座の据え付けられた照明。
オウムガイに細工されたソーラー板が光を受け、
モーターに伝え、それぞれのプロペラを回転させながら回る。
オウムガイへの加工は緊張を強いられるものと推測する。
通常はこのアイデアなり動力源を
単に視覚化するだけで収束させてしまう作品が多い中で、
これほどに徹底して構造体そのものを検証し構築していく
スタンスには感服。
尤もご本人は当然の如く、
「作っても構造自体に問題があっては何の意味もなくなる」という。
いや確かに…。

目に入る作品をかいくぐっているのは見えない空気だ。
児玉さんのいう「空気という媒質」。
作品を成立させるための構成物として、
この“見えないもの”を意識している。

一見、ドリームキャッチャーのような外観の
バドミントンのラケットや
シャトルにリアルな小鳥の足を生やしたオブジェ、
ヒシの実の暖簾(というのも変だが見ようによってはそう見える)など
作品たちを通り抜けている空気は
この会場を下見した上で作家が
展示環境、言い換えれば「気配」を変えようとすることに繋がり、
それぞれに楽しい妄想がふくらむ仕掛けになっている。

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