この“去(い)なされ方”に揺れる…「 第二の重要性  少年少女科学クラブ 」

Category : 現代美術シッタカぶり
4月5日→4月10日【立体ギャラリー射手座】

CIMG5942.jpg

CIMG5941.jpg

CIMG5944.jpg


観客は微かな光を待っている…
観客は僅かな音を待っている…
そして観客はよく見ないとわからない動きを待っている…
少年少女科学クラブならではの…何かを…
いつも観客は待っているのだ。

理科室と音楽室には、眠っているように微動だにしない器具や楽器がある。
生徒たちがどさどさと教室に入ると
彼らはうれしさのあまりに整然と仕舞われた戸棚の中で
お互いに小さく震える。
やがて窓にかかるカーテンが係の生徒によって引かれると
久しぶりな陽光がいやにまぶしかったりもする。
化学記号や音符にはとても魅力的な定理に満ちていて、
同時にそれこそが僕の最も苦手とするものだった。
僕の生まれるずっと前から決まっていることを
アルコールランプで熱したり、ピアニカを吹いたりして検証する。
もっと理科や音楽が好きだったら、
いや先生が好きだったらなら…いろいろ…いろいろ…

苦手なくせして、透き通ったフラスコやビーカーの精度、石綿の手触り、
顕微鏡の中だけの宇宙、試験管立ての行儀良さ、水銀の不思議さ、
そして音楽室で出会うメトロノームのしくみ、ピアノの内臓、
トライアングルの潔さなどに“科学”を見たりする。
どれもが僕にとっては心浮き立つフォルム。
だからみんなは実験が大好き。
教科書通りの結果は目の前で起こって初めて驚嘆するもの。
(但し音符の読めない僕にとっての器楽演奏は嘔吐ものだ)

少年少女科学クラブは言ってみれば
そんな僕たちの触手に優しく反応するアートだ。
しかし今回は全く動かない。音もしない。発光もない。
それこそが「第二の重要性」。
まるでアメリカの墓地のように整然と配列された
少年少女科学クラブのアイコンでもある「ミノウスバ」という蛾。
極めて薄い和紙(しかし腰がある)に印刷し、
型で抜いたオブジェは1,000体を越える。
壁にランダムにピンで留められた蛾は
遠目に見ると小さく震えているようにも感じる。
動かないものから得る情報は動くものからよりも
遥かに高感度なセンサーを必要とするはずだ。
これは観客から“思い込み”を解放させる目的もあるのではないか。
ここに漂う密な空気を感じ、
自分のストーリーを作ればいいだけの話である。
このミノウスバを“群れ”とみるか“反復”とみるかは観客の勝手である。
印刷された蛾はモービルダイという精密金型部品で抜かれており、
一点一点見事なまでにクリアされている。
また和紙にはカイガラムシから抽出精製されたシェラックと呼ばれる
主に木工に用いられるコーティング剤を塗布してある。
なんと天然に存在するポリエステル樹脂。
楽器の仕上げ塗料として古くから使われている。
この辺りも地続きで、
一筋のポリシーが見え隠れするような気がする。

CIMG5951.jpg

CIMG5949.jpg

↑アングルによってその表情を変えるミノウスバたち。


↓ポチッとくれたらありがたき幸せ♪
にほんブログ村 美術ブログ 現代美術へ 

スポンサーサイト

Comment

非公開コメント

58カ国語に翻訳
English
お越しいただきありがとうございます

den

………………………………………
アート・ドキュメント・ブック・
ミュージック・演劇・ダンス・
朗読・時事・ひがみ・そねみ・
やっかみ・おせっかい…
などなどシッタカぶって書きちらかしては
自己嫌悪な日々をゆらゆらと
過ごしております。
「シッタカブリアンの午睡」
「デラシネ光合成」をこのたび一本化。
言いたがり、やりたがり、ノリたがりな
のんのんとしたブログにお越しいただき
ありがとうございます。
………………………………………

ここから、また…
最近の書き散らかし…
こんなこと書いてます
こちらへもどうぞ!