他意のなさに騙されるなかれ…「 おきにいり 浦野みお 」

Category : 現代美術シッタカぶり
5月3日→5月8日【 立体ギャラリー射手座 】

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↑昨年のコンパクト版だが、インパクト!

カステラをこうして描こうという浦野さんという人が居る。
大学の卒業制作に、約3m×2mほどのカンバスに
小さなボタンホール(それも一つだけ!)を描いて
同級生から「勇気ある人」と言われたという。
昨年、浦野さんの個展を同じギャラリーで拝見して
ほとほと感心したのが、対象物への“正面愛”とでも言うべき向き合い方。
これだけならとても実直なのだが(勿論浦野さんはとてもマジメな方です)
これだけ描かれたもののファクターを切り詰めて、なお
そこに質感を反映されることに、この人は特別に長けている。

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↑ドーナツ&アイカラー

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↑チーク&パック

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↑サンドイッチ&歯ブラシ

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↑パンプキンチップス

油には無いものが岩絵具にあり、アクリルにないものが油にあるのは
至極当然だとしても、油彩の特質をこうした作品によって
改めて知るというのがとても面白い。
今回は作家のお気に入りがテーマであるので
思い入れもひとしおだろうと思うが、
決してセンチメンタルにならない、
湿気の少ない画風はやはり見ていて楽しい。
昨年の「B.L.T.」という作品も、おなじみのそのサンドの断面を描いたものだが
ベーコンの油っぽさやレタスのしわやトマトの艶やかさを
あえて描こうとはしていない。
人によっては何だかわからない。
しかし茶色+赤色+緑色という“色彩記号”によって
僕たちのアタマの中で一度組み立て直されるフシギさがある。
静物画を真上から描く人は稀である。
なぜならモノをモノとして認識する時に
寸分も厚みや深さ、高さを
やれ光線だ影だとテクニックを駆使して平面に表そうと努めるのが
まぁ、人情というもの。
そこへいくと浦野さんは潔い。
でも、作品の目に立つと、匂いや味や舌ざわりがする。

浦野さんはアボリジニの画家、エミリー・カーメ・ウングワレーの作品に
衝撃を受けたと言う。
名前だけは聞いたこの画家を検索して見てみるとうなずける。

絵の中の要素の数だけ見るべきところ、
いや“汲み取るべき”ところがあるとすれば絵を見る事は
とても疲れることだ。
問題は「想起」させるということ。
まるで他意のない無邪気な絵と解釈してしまったら
もうこれらの絵はその人にとっては何も「想起」させてはくれまい。
愛すべきモノたちに接する時間を
とても大切にし、こうして備忘録のように描きとめている浦野さん。
これからもっともっと抽象化するかも知れないが
その想いのたけだけはきちんと絵の中に留め置いてあるだろう。


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