風景をトレースしながら風土を練り込む…「 城戸みゆき 展 確からしい風景 」

Category : 現代美術シッタカぶり
7月5日→7月10日【 Gallery はねうさぎ 】

その作家のどこに、とか、何に、とかではなくて
漠然とだが、その“質感”にただただ惹かれる自分がいる。
過去ログを見ても、それは充分にわかる。
城戸さんの紙を素材にした屋根や家のインスタレーションは
それ自体が穏やかに放つ“心象風景”がくっきりと浮かび上がり、
これらの作品の必然とその魅力に改めて感じ入る。

父親が建築関係の仕事だったことが
大きく影響されていると以前に語った城戸さんだが、
なかなか幼少の頃の“紙あそび”やプラモデル作りは
その後に反映することの方が少なく、
それらに常に接していた城戸さんの環境そのものが希有であると思う。

城戸1

城戸2

今回は、昨年韓国でアーティスト・イン・レジテンスを行った
作品が展示されている。
展示スペースの関係上、揺れる屋根のインスタレーションは
今回は200ほどだが、韓国では約1000近くも吊られて、
人の通り道も作られたと聞く。
この揺れる屋根は僕にとって
もはや城戸さんのアイコンになっている。
この屋根は韓国では無くなりつつある民家のもの。
あちらでは日本の文化住宅のようなしつらいだそうで
もう耐用年数の問題で徐々に取り壊されていく運命だそうだ。
独特の形と色合いは過去の城戸さんの作品にはあまりなかったもので、
やはり韓国で制作したことの影響が如実に伺える。
韓国は今活気づいているようで(世界陸上やオリンピックも含めて)
かつての日本にあったように、開発=古いものへの決別という
わかりやすい構図があるようだ。
異国人にとって、その国の民族性や文化を知る手がかりが
こうして消えていくことは忍びないと思う。

城戸5

城戸4

隣の部屋の展示は、雲形のような韓国特有のテーブル
(捨ててあったテーブルにヒントを得て作られた)に
様々な種が載った皿、箸やスプーンが配置された立体作品である。
すべて韓国の紙素材で作られたもので、和紙とはまた風合いが違う。
ワンプレートに載ったものは、住んでいたゲストハウスの屋根の
モチーフを施していて見ていて楽しい。

皿に載ったこれらの種は韓国に滞在していた期間に
城戸さんが食べたもので、
いわゆる食べ残しとは異なる主旨が含まれている。
これは、その実のそもそものきっかけであり、核を成すものであるから
始まりと終わりを意味する、と勝手に解釈している。
今度はその種を植えて増殖(栽培)させるような立体を
作りたいと仰っていた。
これも今から楽しみだ。


城戸さんの過去ログは↓
http://den393.blog81.fc2.com/blog-entry-134.html
http://den393.blog81.fc2.com/blog-entry-305.html
http://den393.blog81.fc2.com/blog-entry-327.html


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