「 京都造形芸術大学 美術工芸学科 卒業制作展 」

Category : 現代美術シッタカぶり
2月25日→3月4日【 京都造形芸術大学 】

学科長より愛を込めて、と結んだ一文がある。
学科長とは椿昇。
「眠ってる場合か!」と題したその一文は
美術工芸学科の学生たちへのメッセージである。
上海MOCAの展示を終えた椿氏のアジアのアーティストたちとの
熱い出会いを語る前半から後半にかかると俄然学生たちを鼓舞する、
ハッパをかける内容になる。
以下後半全文。

「作品描いたら写真に撮って、英語のポートフォリオをせっせと作って
仲間と語り合い、良い人に会おう。買ってもらえそうならきちんと値段を告げよう。
中国のアーティストは国が何も支援してくれないから、美術館の展覧会も何もかも自腹だ。
だからギャラリーなんか頼らずに自分のアトリエにコレクター引っ張り込んでそこで売る。
それを悪く言う人もいるけれど、助成金に群がる日本の美術家なんかよりずっと彼らは逞しい。
君たちは作品を作ることに逃げ込んでいないかい?
そんなことは、アーティストにとっては、鳥が空を飛んでいる程度に当たり前の事。
絵さえ描いていれば、誰かがなんとかしてくれるなんて大きな間違い。
ほら!沸騰するアジアは目と鼻の先。
知らなかったとか、お金がとか、時間がとか、言い訳するんじゃない。
君たちと同世代の若者が両手を広げて君を待っている。
アーティストは常に絶体絶命!
いざゆかん海をこえて!」


著名な教授陣が名を連ねる京都造形芸術大学は
他校とはいろいろな意味で(善くも悪くも)一線を画していると言える。
時折辛口な意見も聞く。
僕は椿さんの展覧会、なーんも面白くなかった、正直。
(あくまで個人的な感想なのでこれについてコメントは勘弁ください)

ところで、今回のテーマは(も)僕には今ひとつわからなかった。
ロゴもどこから見ても間が抜けているようで…。そこがいいというのなら
僕のオツムもオムツかぶった方がいいのかもな…。
校内で展示するメリットを生かすためのコンセプト作りなのかも知れないけれど
どうもハッタリめいた匂いがして…すいませんねぇ…
ジージの戯言と聞き流しておくんなはれ。
やはり、これからは舞台芸術に特化した部分が際立つのかな。
そんな予感めく大学です。
では少ないが印象に残った作品をどうぞ。

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↑「prayscape」木島 千加子
3年前の祖父の死。病室の光。絵具の隙間。

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↑「はまれはまれと囁く」嶋 春香
実家の庭。いつも未知の怖さと期待感に満ちていた。

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↑(左)「おかえりなさい」(右)「ただいま」瀬戸 陽子
実家に帰る。母と父のこの顔を見るたびにほっとする。てらいの無い作品。好きです。

CIMG7360.jpg
↑「染む」高谷 美樹

CIMG7361.jpg
↑「氷柱群図」戸田 香織
木曽御嶽山麓の氷壁。こういうのを描き切る体力、気力に感服。

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↑「紙一重を生きる」本岡 寛子
何点かあった中でタイトルと共にこれが印象に強く残った。
海の上をさまよう儚げな余韻。

CIMG7364.jpg
↑「君、死に給うことなかれ」佐々木 由香

以下の作品は制作者とタイトルのメモをなくしてしまいました。すいません。

CIMG7353.jpg
CIMG7354.jpg
↑2点とも同じ制作者。この色使い、筆使いは一見大胆なようで、その実…

CIMG7350.jpg CIMG7351.jpg
↑制作者は男性です。なんだか独特な女性観が垣間見えて面白いです。好きですね。

CIMG7352.jpg
↑確か「百獣の王」でしたか…確かに他を寄せ付けない力強さがあります。

CIMG7339.jpg
↑こういう抽象が苦手の人は多いと思います。
だから尚の事しばらく絵の前に佇んでみる。すると…!

今回の番外編です。
大学院芸術表現専攻 染織領域 宮田 彩加
「WARP II エルンスト・ヘッケルへのオマージュ」
特に強烈に印象に残った作品。
この前には「WARP I」という野菜や果物を歪ませた作品がある。
どちらもミシン糸での刺繍。

CIMG7347.jpg
↑「WARP I」

CIMG7348.jpg
↑「WARP II エルンスト・ヘッケルへのオマージュ」
均一な針目で一針一針構築させていくことが前提のミシン刺繍において、
「崩す」というアナログ的抵抗から生じたWARPは
とても不品行であるはずなのにミシン刺繍に費やした良質な時間を感じさせる。
生物の対称性と秩序をテーマに自然史的記録の標本として描写したエルンスト・ヘッケルの図版は
WARPで歪ませた場合、どういった影響を与えるのか。
以上、作品の解説文全文。

これを見てヘッケルを改めて知ることとなる。
そして驚嘆の出会い。
ヘッケル

こういうことがあるから面白いんだなぁ…
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