失った温度への愛しみ、そんな蠱惑的な…「 m y r r h ~ shota mino 」

Category : 現代美術シッタカぶり
3月6日→3月11日【 同時代ギャラリー 】

これは観客の皮膚感に直接訴えかけ、また“言葉”にすると
たちまち霧散してしまうような儚げで、美しい展示である。
名刺を渡しながら、正直ブログにどうやってアップしようかと思い悩む。
と前置きした上で、だから三野さん、これみてがっかりしないでいただきたい。
先輩との二人展であるが、今回は三野彰太さんをクローズアップしてみた。
三野さんを勝手に検索。
今から2年目の三野さんが笑顔でアップされているのは
デザインカレッジの研究生だったご本人が
スペイン・グラナダへの留学が決定したとの
専門学校のオフィシャルサイト。
今回の展示を拝見してみて、三野さんは行くべくして行ったという感を強くする。
彫金を専門的に修学されてアクセサリー作家として活動してきた三野さんが
現代美術的なる方向へシフトしてきた、そのプロセスが今回の展示に表れている。
ここにあるのは明らかに三野世界の一端であり、
ゴシックとかカルトとかの印象を強く受けた(であろう)観客の目線など
とんと意識もせずに淡々と粛々と作品づくりに勤しむ彼の姿が想像できる。
というのもこのギャラリーの持つテイストを充分に活かした、
ギャラリーの「気」を見事に作品たちに“孕ませた”展示が
見事に僕たちを難なく引きずり込んでしまい、
その奥でほくそ笑む三野さんが垣間見えるからである。
まるでアトリエに居るように妙に居心地が良い。
元よりアンティーク収集を趣味とする三野さんの作品は
“時代がついた”それらの素材を実にうまくとりこみ、
彫金技術と卓越したセンスで、
それぞれの作品が放つ小宇宙を構築している。
テーマである「myrrh」(ミルラ)とは没薬(もつやく)という意味である。
没薬とは樹木から分泌される樹脂のことで
古くはミイラ作りの防腐剤として使われていて、
ミイラの語源となった言葉とも言われる。
温度を失ったものへの“愛しみ”とかつて生が確実にそこにあった痕跡を
包み込むようにして、長い時間を経た道具や果実に
切なる思いを込めた、中々にシブい展示を見させていただいた。
そして呪術的な魅力、古色蒼然とした世界、含蓄ある作品たちと
このギャラリーの持つ魅力との相乗効果にも蠱惑されてしまった。

CIMG7404.jpg
↑小鳥の死骸…

CIMG7405.jpg
↑いいですねぇ、この感じ。

CIMG7409.jpg
↑そして経年…宿命感…自然と切れたものです。

CIMG7406.jpg
↑置かれたざくろも本物。実にきれいに腐っている。

CIMG7407.jpg
↑久しぶりにこういう雰囲気の作品に出会いました。

CIMG7411.jpg
↑こちらは鼠の死体。

CIMG7412.jpg
↑こういうのはホワイトキューブにはフィットしませんね。

CIMG7413.jpg
↑ミシンに縫われているのはミイラに着せるコスチューム?

CIMG7414.jpg
↑顕微鏡はやはり必須です。

CIMG7417.jpg
↑こういうのを作れる人は個人的に好きですねぇ。

★ブログにアップされている画像及び動画はギャラリーまたは作家の承諾を得ております。


スポンサーサイト

Comment

非公開コメント

58カ国語に翻訳
English
お越しいただきありがとうございます

den

………………………………………
アート・ドキュメント・ブック・
ミュージック・演劇・ダンス・
朗読・時事・ひがみ・そねみ・
やっかみ・おせっかい…
などなどシッタカぶって書きちらかしては
自己嫌悪な日々をゆらゆらと
過ごしております。
「シッタカブリアンの午睡」
「デラシネ光合成」をこのたび一本化。
言いたがり、やりたがり、ノリたがりな
のんのんとしたブログにお越しいただき
ありがとうございます。
………………………………………

ここから、また…
最近の書き散らかし…
こんなこと書いてます
こちらへもどうぞ!