ボツ、な夢から…

Category : 浮世の「うっ!」
先日変な夢を見た。
なんでもロゴを考えてくれと依頼が来て
先月辞めた職場の同僚が、なぜか上司になっている。
一案考えて提出したら
「それは先日ボツになったヤツだ」と彼に突き返された。
上司が彼だということも嫌だったし、
社内での上下関係を思い出してゾッとした。
僕にとっては初めて出すデザインだっただけに
言ってる意味がわからない。
「世の中にゃぁ、ボツだろ、それって!って言う様な代物が
大手降ってゴロゴロしてんだ。
何が理由でボツったのか言ってみろ!」と
毒づいたところで目が覚めた。
この夢が何を物語っているのかはわからないけど、
寝覚めが悪かった。

30年以上デザイン稼業をしていると
それはそれはボタ山ならぬボツ山がいくつもできる。
デザインでイタいのはボツは二度と陽の目を見ないこと。
ボツのこの部分を活かそうということすら許してもらえない。
ボツは限りなくボツであって、いわば葬り去られるもの。
例えそれが僕の(多分、僕だけの)お気に入りであっても、だ。
ボツった理由も担当者が嫌いな色だの、
中には占い師に見てもらったなんていう
笑えないものもあった。

一人で中学校と高等学校の学校案内を
掛け持ちで6校デザインした時期がしばらくあった。
依頼元は同じなので
それはもうカブらないパズルをするようなものである。
学校案内をプレゼンする日程はほぼどこも同じだから、
アタマん中をもみくちゃにして考える。とにかく考える。
切り口もそれぞれに違うものにして、
デザインも一人の人間がやったとは思えないほどに変える。
が、それぞれの学校のカラーはしっかり出す。
デザインが通って、やっと納品、ホッとしたのもつかの間、
「来年も頼んまっせ!」と肩を叩かれた途端、気持ちが沈む。
「来年はどうしよう…」

アナログからデジタル移行になった矢先の、
あの地獄のようなデザインワークが懐かしかった頃、
「すぐできるでしょ、こんなの」という常套句に対して
また僕も「デザインはね、ガチャポンじゃないからね」と釘をさす。

自分がイケると思ったものが通らないのは世の筋。
それを拡大解釈すると被害妄想と自信喪失につながる。
だからノーテンキを装って、笑顔で軽くいなしてた。
僕がこの業界から引退しようと思ったのは
その得体の知れないストレスと
デザインワークの条件の重要なファクターとして
OSやバージョン、ソフトがデザイナー生命を左右するほどに
欠かせないものになったことが苦痛に感じられた頃からである。
収支をシビアにはかるフリーランスにとっては
永遠に続く先行投資に対して制作費が削られていく現状や
見返りの薄さも原因のひとつになった。
それよりも何よりも、もしかしたら
僕自身がデザインの世界の中で枯れてきたということだろう。
それでも辞めたことに後悔は全くない。
自分と社会との関わりをもう一度考える
チャンスを“介護”が与えてくれたからである。
今度のクライアントはヨネさんやツネさんだ。
このクライアントたちはよく忘れたり、寝てばかりいたりするが
それぞれの歴史を背負いながら
今もなお、僕に多くのことを教えてくれる。

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