その飄々とした風情に見る暗喩とは…「 岡田 理 展 〜 何があっても/何がなくても 」

Category : 現代美術シッタカぶり
7月20日→9月1日【 TOMIO KOYAMA GALLERY KYOTO 】

「中心となっているのは、変化への行動を起こす気もなくただ夢想し、
その変化とともに起こるであろう混乱に対しての解決策を持たず、
物見やぐらでただそこにいる人々(自分も含める)のポートレートです。
しかしその夢想すること、言い換えれば、大小あれども無責任な希望を持つことは、
理不尽な矛盾多き世の中で私たちのメンタリティーを支える、
太く大きな柱でもあると思います」

これは作家である岡田さんのステートメントですが、
無駄が無く、それでいて言うべき事がしっかりまとめられて感心しました。
(自分も含める)という箇所はそのまま(一般的な日本人)に置き換えて
差し支えないな、なんて思いました。
無責任な希望 ≒ 行動しないスタンスという風に考えるとわかりやすいのですが、
自分の言ったことに大げさに反応されて、それについて何らかの責任や
釈明を追求されることを極端に嫌う傾向があり、そのために
火種になるようなことは言わないというのは
現在では至ってポピュラーな日本人像であるといってもいいと思います。
それは言い換えれば“大げさに反応し大げさに揶揄する”側もしっかり存在していて
特にネットの書き込みなどを見ると「陰口好き」あるいは
「揚げ足取り」の好きな日本人が“やっと”出て来る場が与えられたようで
可笑しくもあります。

作品を語らずして終ってしまいそうなので軌道修正します。
一見、ファンシーで“カワイイ”シチュエーションに見えるのは
岡田さんが“描く”それぞれがとてもカラフルであることと、
ここが肝心なのですが“表情が淡々としていること”に原因があります。
ところが一つひとつをゆっくりと見ていくと実に内省的で、
まるで自らの毒にあてられているような、もう少し言えば
閉塞感、焦燥感、諦めといった、
現代人の“やり場のなさ”がうかがえる作品に思えてきます。
ここで“描く”と書いたのは、それぞれのモチーフが平面であっても
生きるなと感じたからです。
まるで陶芸でドローイングをしているような、
(陶芸のためのエスキースという意味ではなく)軽やかさがあります。
そこには計画的に順序立てて構築されたものには無い勢いがあります。

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クマが互いの顔を貝で隠す展覧会のタイトルにもなっている作品は
詰まるところ「暗黙の了解」という外国人から見たらとても謎な
日本人の「協調」と「迎合」が混在していても
それはそれで整合性があり、双方の関係性は健全であるという
摩訶不思議な精神風土を垣間みることができます。
ひとつ一つの作品にとても新鮮な発見があり、
シッタカは「これは社会性が高い作品だ」などと
シッタカぶってみたくもなります。
それと興味深かったのが、そんな暗喩を感じさせる作品であるのに
なぜか日本人離れした、何かを越えたインターナショナルな作風を感じ取りました。
この見聞記を書いたのは尖閣諸島の“事件”、また隣国の大統領の
竹島上陸に際しての対応についてのある種の“やりきれなさ”が
受け取った情報へのフィードバックとして“ささやかながら沸々と”した
あぶくが心の底の方から立ち上がっていく頃でした。
「通り過ぎるのを待つ」つまり荒立てたくないスタンスは
そのまま「なし崩し的」に嫌な匂いを発しながら
濁った色に染まっていきます。

全然関係ないけれど「貝」の風情に
武田久美子やヴィーナスの誕生を思い浮かべたのは
おそらくシッタカだけでしょうな。

なんだか話がややこしくなってしまいました。
現在ギャラリーは夏期休暇ですが、8月27日から9月1日まで
見る事ができます。おすすめの展覧会です。是非!

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↑これも面白い。湿気が無いようで…よく見ると…

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↑なんだかみんな悩んでる…もうひとつ突抜けきらないブラザーズ。

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↑この色彩にダマされてはいけない…

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↑話しにはよく出てくるが蛇もそんなにバカじゃないさ

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↑めりこむ貝。さてあなたは何を見る…

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↑壺なのに壺ではない何物か…壺でなくてもいい壺…壺風な壺…か

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↑これ、好きですねぇ…物語ってみたくなる…いい話ができそう

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↑でも出てくるのはこんなお化けたちかな…


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