「 The Legend of JIMI HENDRIX 」

Category : ドキュメントDVD
ジミ

監督:ボブ・カーユーサーズ

生誕70周年は企画のタイミングとして勝手に銘打っただけのもので
むしろ27歳で(勝手に)逝ってしまった彼への
オマージュと捉えたほうが見やすいし、納得もする。
そう、27クラブ、である。
古くはロバート・ジョンソンから
ブライアン・ジョーンズ、ジャニス・ジョプリン、ジム・モリソン、カート・コバーン、
そしてジミヘン。
記憶に新しいところではエイミー・ワインハウス。
あのバスキアも27歳で逝ってしまった。
何の根拠もない27クラブだが、もし彼らが存命であったなら、などという
たくましい想像は、その瞬間に野暮と化す。
だからこそ彼らはロック界での“永遠”を手に入れたのではなかろうか。

これは熱いライブシーンを満喫するといった類いの鑑賞ビデオでもなければ、
お蔵入りだったインタビューやステージを詰め込んだ風でもなく、
裏の裏までようじで突いたような“キワもの”でもなく、
とりたてて言うべきところのない映画ではあるのだが、
ただ、この機会にジミ・ヘンドリックスというギタリストが
どういった意味で希有な存在であったのかを知るのには
関係者らの彼にまつわる発言について、それぞれに説得力があるし、
若い人に是非見て欲しいなぁと思う。

ジミヘンを聴く上でリズム隊である白人の二人を無視することはできない。
共にオーディションで選ばれた二人がなぜ白人だったのかという単純な疑問は
ジミヘンが白人層をターゲットにしたミュージシャンとして
想定されたことと無関係ではあるまい。
しかしここでも明かされるノエル・レディングとの確執というのは
あまりにジミのレンジが広いがための当然の成り行きだったようにも見えるし、
事実は音楽的な意見の相違というよりも一方的な解雇であったようでもあり、
いかにジミが自分だけの音楽を作ろうとしていたかを思わせるエピソードでもある。
一方、ミッチ・ミッチェルは当時の僕に強烈な印象を残したドラマーであった。
明らかに叩き方が他のロックバンドのそれとは異なっていた。
音楽関係のブログで面白い記述があった。
ミッチの細身体型はフーのキース・ムーンや新しいところでは
ポリスのスチュワート・コープランドのように手数の多いドラミングになる。
中でもミッチはジャズ的なアプローチのドラミングが特徴的で
その典型的な叩き方が3連符だ。
一番分かりやすい例が「HEY JOE」のカバーで、
そのバンドのドラミング如何で
この曲が何の変哲もない凡庸な曲に聴こえてしまうからだ。
僕の中学1年からのブリティッシュロック維新の中で
ミッチとジョン・ボーナムは特別な存在だった記憶がある。
エクスペリメンス解散後もジミと共に活動していたミッチの役割は
とてつもなく大きい。

ジミは元々有名R&Bシンガーのバックとしてステージに立っていただけに
「目立つ」ための演出には長けていたと言える。
メインの歌手よりもバックギタリストのジミの方が派手であったようだ。
当時のロックバンドにファッション、ステージコスチュームは
欠かせないファクターであったし、ジミは他の誰よりも“イケて”いた。
ステージでの、例の歯で弾くパフォーマンスも
実際はちゃんと指で弾いていたという裏話も聞けるし、
コード進行や曲作りの類い稀な才能も明らかにされる。
ジミ自身は譜面が読めなかったと言われるが、その音感は
マイルス・デイヴィスも感嘆したと言われ、マイルスが最も共演したかった
ミュージシャンとも言われている。
直感的にフレーズを自由奔放に弾くジミのアドリブは
演奏の度に違う魅力を醸し出すジャズのインプロヴィゼーションのような印象を与え、
ロック・ギタリストの範疇に納まりきらないミュージシャンだったと言える。

唯一残念なのは何故に「Little Wing」が収録されていないのかという点。
クラプトンも敬意を込めてカバーしている(好きではないが)し、
カバーでありながらオリジナルを超えているという点ではレイヴォーンものが秀逸だ。

「とんでもないギタリストが居るらしいぞ」という噂が国中を駆け巡る…
その音を聴いた瞬間に彼に呪縛される。
そんな想像は実に楽しい。

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