「 田中 秀介 展 〜 回想と突発のわれわれ 〜 」

Category : 現代美術シッタカぶり
2013. 9/10 → 9/22 【 gallery morning 】

時々ですが、
ギャラリーのドアを開けて、最初に目にした印象から、
やがて徐々に作品の“深み”にはまっていく絵というものがあります。
いつまでも一定の距離を置いて見てしまうものと
例えは変ですが、ボディブローのように“効いて”くる絵があるんですね。
田中さんの作品にはある一定の彩度や濃度が
どの作品からも感じられて、それがそのまま田中さんの絵として
僕の中に認識されていきます。
絵が上手いという評価の起点は、何を指しているのかが問題でもあり、
それこそ画家に対しての禁句でもあるということを時々思いだしたりします。
それにしても、うーん、巧いと書くのが正解なのかな、
とんでもなく巧い人です。
そのとんでもなさは、当たり前だけど田中さんにとっては至極フツーなことで、
ええと、うまく言えない…この絵も、うまく言葉なんてものを使って
説明したり紹介したりできない絵です。
例えばヒゲを剃っている男性の写真を見て、
なんだかいいと思って描くというのは、作家の興味が保てるスパンが
いかほどかというものにも関わってきます。
多分、田中さんはパッパッと描いてしまうのではないかな。
「いいなぁ」と思っているうちに描いてしまう。
足の裏を描いた作品も奇妙な味わいを漂わせていて、
田中さんの世界は相当にあらゆる人を迷い込ませています。

観客は演者の数歩前を読んでいて、とても怖いと
ある演出家が言ってました。
僕たちは絵を前に画家の捉えた対象を自分の中で咀嚼して
その意図を探ろうと懸命になったりしますが、
田中さんの脚本は、はるかに探る速度を越えていて、
もっとずっと先に居るような気がします。
何をどうしたらこの絵に辿り着くのか…まぁ、そこが面白いとこなんですが。
無理矢理画家のアタマん中を覗く必要もないわけで、
要するに絵を見りゃいいんですが、
この愉しきボディブローは癖になりそうな気配です。

なんでも描くんじゃなくて、もっと自分らしい絵を描くという、
或るターニングポイントにあたる時期なのかも知れません。
質量をきちんと筆の先に捉えることのできる田中さんだからこそ、
その技量を越えた、技量におもねることのない作品が描けるのでしょう。
どの作品も確かに奇妙と言えば奇妙なんですが、
なぜかその世界に流れるように吸い込まれてしまうのは、
なぜなのでしょう。

サイトを拝見したりすると決してそうではないんですが、
なんとなく「凄腕で寡黙な夢想する格闘家」のようなイメージを
抱いてしまう田中さんです。

今回は最後に作品のオンパレといきます。
じっくり見てください。

CIMG9742.jpg
↑アトリエだそうです。

CIMG9741.jpg
↑もうストーリーができてしまいましたね。ゴッホ風な木々のざわめき。

CIMG9738.jpg
↑スコップ、置いてしまいました。

CIMG9737.jpg
↑このダイナミズム! 和歌山が災厄の前に!

CIMG9736.jpg
↑故郷の情景。なんだか後ろ姿が成長したクレヨンしんちゃん…

CIMG9735.jpg
↑これがその足裏な顔です。

CIMG9734.jpg
↑この色使い! これからどこへ出かけるというのでしょうか。遠くに飛ぶ不穏な鳥…

CIMG9733.jpg
↑役所の日常。ハンコハンコハンコ…





スポンサーサイト

Comment

非公開コメント

58カ国語に翻訳
English
お越しいただきありがとうございます

den

………………………………………
アート・ドキュメント・ブック・
ミュージック・演劇・ダンス・
朗読・時事・ひがみ・そねみ・
やっかみ・おせっかい…
などなどシッタカぶって書きちらかしては
自己嫌悪な日々をゆらゆらと
過ごしております。
「シッタカブリアンの午睡」
「デラシネ光合成」をこのたび一本化。
言いたがり、やりたがり、ノリたがりな
のんのんとしたブログにお越しいただき
ありがとうございます。
………………………………………

ここから、また…
最近の書き散らかし…
こんなこと書いてます
こちらへもどうぞ!