カマンベール・ダリ…「世界が愛した芸術家ダリの超現実的な人生」

Category : ドキュメントDVD
ダリ

ダリが尊敬してやまなかったのはルネッサンス時代の芸術家だと言う。
彼は自分の人生を最終的にはそのような形で終わらせたかったのだろう。
金に無頓着な彼が、晩年は金目当てに、何とチョコレート会社や
アルカセルツァーのコマーシャルまで出ている。
つまり金があることで安楽を得ようとしている
至って正当な欲望の持ち主だったわけだ。

影響を受けたミレーの「晩鐘」についてダリはとても興味深い分析をしている。
手を合わす女性の姿は性欲を露呈した処女を連想し、男は母親の暗示で
その場に釘付けになったように見える…
以後、この絵はダリのモチーフに度々登場することとなる。

どこまでが本気で、どこまでウケ狙いなのかわからない発言も多くある。
「盲人が道を歩いていると後ろから蹴飛ばしたくなる」
「核爆発は楽しい。全てを一瞬で破壊するからだ。それは原子核的神秘主義である」
狂人の戯言と片付けられない問題発言も、しかしまともにメディアは受け取っていない。
確信犯的な行動や言動は芸術家といわれる(しかも天才の)人間にとっては
しかるべきセットメニューなのかも知れない。

幼少に亡くなった兄に悩み、こだわり続けた若きダリ。
美術学生時代の教師への強烈な反発と強制退学。
レーニンをモチーフにした侮辱的な作品による仲間たちからの誹謗。
ガラへの寵愛。フランコ政権への支持。
さまざまなエピソードとインタビューで構成されたものだが
画家が制作している様子をカメラに撮らせること自体が
僕にとってはとても不自然だが、ブニュエルの映画にも出演している
ダリにとってはとりたてて特別なことでもなさそうである。
「アンダルシアの犬」はシュルレアリスム映画の代表作品として
つとに有名だが、これはダリなしでは出来なかったものだ。
彼の観念的な世界を映像に表そうとした例には
映画「白い恐怖」で幻想的な夢のシーンの演出をダリに依頼した
サスペンス映画の巨匠アルフレッド・ヒッチコックがいる。
「彼でなければダメなんだ。彼のモチーフが要るんだ」
今、その映像を見る時、いかに後世に影響を与えたか
伺い知ることができる。
同年代のアーティストが出ていかなった年齢に
ハリウッドやヒッピーカルチャーを大好物として
また多くの若者から支持された背景には、
生来の目立ちたがりと「時代の寵児的アーティスト」としての地位を
確立しているという絶対的な自信があったのだろう。

圧倒的な描写力に裏打ちされた作品は
他のシュールレアリズム作品とは一線を画する。
僕にとってそれはプログレッシブロックで例えれば
まさにピンクフロイド的な「狂気をはらんだ牧歌」である。
神秘主義の具現化を単純な線や引き算された構成ではなく
徹底的に“リアリティな幻覚”として表現したところにある。
だからポップアーティストとは呼びにくい一面を持っていることは
否めないのだが、守銭奴のようになって
「ダリブランド」を立ち上げたあたりの俗様を見せつけられると、
またそれも言えているのかなぁ、と。

ガラと住んだガラテアの塔、あれはどう見ても国道沿いのラブホである。

例の溶けた時計はカマンベールチーズを食べたダリが
「!」とひらめいたものだとか…恐るべしチーズパワー…

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