「 朋コレ 〜 荒川 朋子 」

Category : 現代美術シッタカぶり
2014.1.11〜1.19【 KUNST ARZT 】

同ギャラリーでの、ほぼ1年ぶりの個展です。
作家のプロフィールなるものの最初にあるのは
どこの大学で何を専攻してきたかというものですが、
荒川さんについてはほとんど目がいかなかったのはなぜでしょう。

ステートメントが全てを語るとは勿論言いませんが、
こと荒川さんに限って申せば、ここに書かれていることは
とても正直で、率直で、自然とこう、読んでいて口の端が持ち上がる感じです。

そういえば、小さい頃から急に思いついては何かを作り、
周りの人にあげるのが好きでした。
それはどこかで見たような何かであったり、私なりの発明品であったり。
私にとって「かわいい!きっと喜んでくれるに違いない!」と思ったものが、
相手にとってはそうでない場合もよくありました。
それなりに大人になり、それなりに人の気持ちが分かるようにはなりましたが、
やっていることは今もあまり変わっていないような気がします。


僕が好きな部分は「相手にとってはそうでない」というところ。
こここそが荒川さんの荒川さんたる所以のような気がします。
ステートメントというのは趣意書ではありますが、
同時に自己紹介であり、挨拶でもあり、意思表明のようなものでもあり、
また決意や覚悟といったものが含まれています。
相当な長文で、難解で読み切れないものもあれば、
荒川さんのように簡潔で、作品の向こう側が見晴らせるような
ストンと何かが落ちる音まで聞こえてきそうなものもあります。

作家が自身に正直に作品づくりをしているということは
得てして、というか当然、作家の感性と他人が受け取る感覚との微妙なズレが生まれて、
「みんな だいすき げんだいびじゅつ」という悠長で呑気な提言とはうらはらに
これこそがちょっと冷や冷やさせる現代美術が持つスリルかも知れないなと思ったりします。
それは猛烈に熱くはないけれど、
何らかの摩擦熱を与え、何だかヘンなモノが
やがて一人歩きするかもしれない奇跡的な道行きをはらんでいたりもするのです。

確かに奇妙な造形なんですが、その奇妙さは
あけっぴろげで、痛快ですらあります。
つるつるに磨かれた木彫は、意図されてこうなったというよりも
そんな形になることを宿命づけられて経年の果てにそうなったという感じです。

あまたの様々な人々も一皮むけば股間に毛を持つ神の気まぐれな造形物…
なんていう発想ではないかもしれませんが、
太古に見る大らかな性賛歌や、ギャラリーの紹介にもあるような
アニミズム、信仰対象、崇拝物といった印象も含んだ、
しかし唯一無比な荒川造形があっけらかんとここにあります。
それは多分に民芸的要素や土着的な独特なユルさを質感に見ることから
喚起されるものでもあります。

今回はさらに「すっぴん」なコレクションになったと思います。
これからの展開が楽しみな作家さんです。

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↑徹子のトーテムポールに見えるのは僕だけでしょうか…

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「毬隠し」

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「栗隠し」

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「目出しだるま」

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「思い入れ物」

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「手箱」

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「赤鼻白髭」

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「毬の棒」

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「張子のおまた」



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