「 突き抜け隊 Short 1 〜 SNOW / Knock 」

Category : パフォーマンス見聞
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2014.1.25【 壱坪シアター スワン 】

とても的確に揃った三人、という印象があります。
なぜ、このユニットが好きなのか、はっきりとは言えませんが、
例えば架空の国の話しであるとか、
戦国時代のバトルものとか、よりも
圧倒的にこのユニットのテーマの方に惹かれるということもあると思います。
それはそこらへんにころがっている刹那のつぎはぎのようでもあるし、
徹底的ではない、ほどほどな落胆が
じわじわと滲み出るような不穏さなのかも知れません。

メンバーの一人でもある澤雅展さんとは
ラボで一緒だったこともあるんですが、
(当時は大変迷惑をかけてしまったものです)
当時から彼のギシギシとした突き進んでいく感じが眩しくて
若さの良い所も良くない所も合わせて表現できるような予感がありました。
でもどちらかというと彼はとことんダメな、嫌な人間
(それは同時に弱い、儚げな人間でもあるんですが)の演じ方を
今、どう表したらいいのか、考えているような気がします。
彼自身の趣味の志向性のやや偏向気味(マニアックという意味で)なところも
彼の独特な味わいの要素なのかも知れません。
先ほどのダメなヤツというのは、得てしてその裏に狡猾さを忍ばせていたりします。
これからそこのへんが研ぎすまされると
この若さですから、とても将来が楽しみな役者になっていくと思います。

このユニットの強みに山田佳弘さんの音楽的なバックボーンがあります。
突き抜け隊のブログによると、
ドイツやカナダに渡り、トランペットやギターを勉強したという経歴の持ち主です。
失恋をきっかけに演劇を始めるというのもなんだかいい感じではあります。
公演には必ず彼のベース、ギターの演奏が聴けます。
楽器を演奏しながらセリフを言うという難しさは多分想像にかたくないとは思いますが、
このユニットでは何よりもあざとさが感じられず、
むしろこの構成が思いのほか新鮮で、
嫌な意味ではなくて、他の劇団との差別化にも一役買っています。
巧妙なのは完全に音響効果として鳴らすパターンと
劇中でギターやベースが話の中に織り込まれた
小道具としての使い分けがとてもうまいという点です。

そして長谷川直紀さんのつくる物語からは
日常性の中の普遍性は、当然三人の年代から体現されるものとして
どこまでリアルであり続けることができるか、
また大げさではなく、人が生きていくための“赦し”とは
どこまで乞うことができるのかということをを痛切に感じます。
突き抜け隊の「特徴」とも言える部分、
僕にとってそれは「間」であると言えます。
二人の会話に登場する人物は、或る間をもって
その人物そのものになり、また客観に戻り、そしてまた当事者として語られる。
この妙が突き抜け隊の魅力そのものであり、
語られる「現在」と出来事が起こった「過去」を
自由に往来できるしなやかさを感じます。
その時間の中を行き来することで、後悔や懺悔めいた“うじうじ感”、
今の自分に“ならざる得なかった過去への忸怩(じくじ)たる思いも
長谷川さんの脚本から汲み取ることができます。

これから突き抜け隊として、4月のC.T.T.セレクション京都、
6月のShort 2、9月の3回目の本公演と
着々と彼らの“もくろみ”は進行していきます。
皆様、お楽しみに!

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