「 吉野 央子 作品展 」

Category : 現代美術シッタカぶり
2014.1.28〜2.9【 GALLERY SUZUKI 】

蛸に欲を感じる、とおっしゃる吉野さん。
確かに脚として8本は欲張りです。
神様も、もっとシンプルな造形になさったらよろしかったのに、なんて。
この「蛸に欲」の例えにならえば
僕などは北斎の「蛸と海女」を思い浮かべたりもして、
そう思うとあの粘性に富んだ風体は相当にエロチックでもあります。
一度検索してみてください。
かなりなものです、北斎さん。

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瀬戸内でのアートフェスティバルがきっかけで
蛸の彫刻を手掛けたということですが、
(瀬戸内海はマダコ漁が盛んな地域です)実に、なんというかその「蛸像」は
こういうとおこがましいのですが
吉野さんのスケッチの素晴らしさ(見たこともないのに)
を完成形から推し量ることができるようです。
蛸のクネっとした感じ、8本もの脚をどうやって表現するか、
大いに悩まれたようですが、
見事にスタイリッシュな蛸のお出ましです。
ここに展示されている蛸は様々な姿態があり、
これが同一の生物とはにわかには信じ難いフォルム。
吉野さんはまさに「フォルムの精錬」と言うがごとき彫刻作品を作り上げます。
一本のクスノキからでは大胆に足に動きをつけるのにはどうしても制限が生じる。
そこでいわゆる構造上はモジュール形式に作っています。
木を継ぐわけですから木目に変化が表れる。
この方法は蛸の胴体(アタマに見える部分)が静であるのに対して
動の脚の造形の自由度を高めました。
これにより効果的に動きをつける役割も果たしています。

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イカが進化したものが蛸であるという説もさることながら、
その寿命は1年ほどというのも、なんだか切ないです。
短命でることと引き換えに強烈な個性を神様から与えられたんだと
シッタカなどはひとりささやかな感慨にふけったりします。

瀬戸内での展示は廃屋を蛸の住処となぞらえて展示されていたようで、
ネットの画像を見ていると実物が見たくなります。
飄々なる風貌と謎めいた生態、横着でよこしまな感じ、
そのくせ、吉野さん曰く
「なんとなく努力しない」イメージというのも
ついてまわったりして、蛸って面白いです。

この造形センスは過去の作品の至るところに表れていて、
決して、小難しくもってまわった表現ではないところに
吉野さんの彫刻の魅力があると思います。
どんなにカタチを変えていても
世間と自身との関係性を彫刻で体現されている作家さんとして
そして大学の先生として、
後世に常に影響を与え、その発信力に
磨きがかかっているように思います。

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