「 配置と放置 〜 香川 裕樹 」

Category : 現代美術シッタカぶり
2014.2.12〜3.1【 MATSUO MEGUMI + VOICE GALLRY pfs/w 】

アップが遅れて香川さん、すいません。
のっけから謝罪っぽくなりましたが、
一因としてはなんというか、感覚的なものが強すぎて
これを文字化するというのがとても難しいからでした。
まずこのタイトル。
作家である香川さんとお話ししているうちに
だんだんとわかってきました。
というか、僕自身の習癖のようなものが
この展示に集約されているような感じを強く受けたのです。
今回は絵や彫刻や陶芸などの、
作家からの強い創意を反映したものというよりも
作家自身への問いかけから来る“確信”そのものを
表現したいという気持ちではないかとシッタカぶります。
これは描く人や彫る人や焼く人がどうこうと言うのではなくて、
香川さんが自己に忠実に
表現方法を探った結果と考えるのが妥当です。
だから当然、好き嫌いがはっきり分かれる作品だとも言えます。
稀にドローイングが作品の中に“配置”されているものもありますが、
原則的には「すでにあるモノ」が素材になっています。
もとからあるものを加工し、色彩を施し、変形させ、
新しい表情や発見を促す作品は確かにありますが、
香川さんはそれとはちょっと違います。
役に立っていた、つまり現役を完全に退いたモノたちはやがて解体され、
部分(部品)となり、そのモノ自体の意味性が希薄になります。
当然、それらは放置されるわけで、
ここで「初めて」香川さんによって再度、配置物として再生され、
(いや再生というのは機能することがあくまで条件となりますから
ちょっと違うかもしれません)新しく構成されたモノになるのです。
ここからが面白いのですが、こうして作家の直感によって選択され、
構成された作品はしかし、それ自体に意味など持たせません。
意味あることが、これらの作品にはかえって邪魔になるのです。
うまい言葉が見つからないのですが、
そう、作家の直感を作家だけの言葉に翻訳しているのかも知れません。
ここにある作品に接着剤は使われていません。
モノとモノと“見えないように”くっつけるという行為そのものには
無理を無理でなくしてしまう作用が働き、
「放置の制約」を越えた何がしかの意図が組み込まれてしまいます。
そこで作家は全てを「置く」ことにしています。
どうしてもくっつけたい時には粘度を使います。
その粘度もはみ出すようにします。
モノとモノとの間に粘度というモノを挟んだ、という解釈です。
焼物風に言えば“景色”の一部にしてしまうということです。
完成(どこまでが完成というのか判然としないところもまたミソですが)
した作品は作家の中ではCMコピーではありませんが、
「何も足さない、何も引かない」という“頃合い”でフィニッシュされます。
この“頃合い”こそが作家が“筆を止める”瞬間なのでしょう。
これは大学で空間演出デザインを学んだ香川さんが
そのモノが占める部分と周囲の空間差の「塩梅」を直感的に
表現したものであり、いわゆる「整然とした混沌」、または
タイトルから察すれば「鍛錬された放置」とも言えます。
この感覚は理解できないという人にはそれこそ意味を成しません。
しかし先に述べた、僕自身の如何ともしがたい、
「オリジナリティあふれる無意味性」「直感的レイアウト」に
夢中になって、実際に自分の部屋の現状がそうであるという事実から
香川さんとお話しているうちに
徐々にアタマの中にこの面白さが滲みてきたのです。
話の中でふと、これは一つの「再配置志向型」パフォーマンスとして
成立しそうな気もしました。
ある小説家が、自分の家に「祭壇の間」という部屋をつくり
拾ってきたモノを祭壇のように組み上げて
毎朝手を合わすという記事を見ました。
これは廃棄されたモノのみに限られた特性、
つまり、経年によって刻まれた、
そのモノの歴史へのシンパシーであると考えれば、
捨てるという行為そのものがすでに作品を作品たらしめているのかも
知れません。
香川さんが今後、どのように配置≒放置を捉えながら
表現活動を展開するのかがとても楽しみです。

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↑これのみ写真作品。スケールの妙…原寸大感覚の錯覚を促す…

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