「 石原 孟 展 〜 四季を想う 」

Category : 現代美術シッタカぶり
2014.5.6〜5.18【 Gallery 知 】

両目は広く捉えたり、ピンポイントに凝視したりして
景色というものを認識していますよね。
素晴らしい自動焦点システムです。
ここを描きたいと思う時に、さてどこまでトリミングするのかは
要は作者の主観によるものであって、
私たち鑑賞者はその結果を視ているわけです。
もう少し右だとか、下も入れた方が良いとかは
実際の景色を作者と視ているわけではないので
判断する手立ては勿論ないわけです。
だから一枚の絵を描いている間じゅう
そのトリミングとずっとつき合うということで、
僕のような門外漢にはその堪え性は無いに等しいでしょう。

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霞ヶ浦の光景にしても、石原さんの手にかかると
まるで特定できないんですが、
なんとなくよその国の景色に見えたりもします。
質感はもちろんなんですが、
“変哲もない”景色にこそ人を捉える魅力が潜んでいます。
それはその瞬間にしか現れない景色だからです。
そのタイミングをクローズアップして支持体に塗り込める。
風景を描くということはつまるところ、
その瞬間にしか表れ得ない何かに
作者の心象をフィードバックさせているのではないでしょうか。
とにかく描きっぷりにアッパレです。
優しいのに強い、穏やかなのにどこか鋭い。
どこにでもあるのに深い。

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二股に立つ変形の建物などはどこか横尾さんが食い付きそうな
これはオイシいアングルです。
しかし後に行ってみると、すでに建物が無かった、という
作者の落胆ぶりなくだりをギャラリストから聞きました。
これなどは風景の宿命なのかもしれませんが
“描き留めて”おくことで、このように“亡き瞬間”の意味も
立ち現れてくるようです。
元来、並外れた筆力のある方ですので、
鑑賞者を圧倒するような力を無意識のうちに感じます。

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ところでもう一方のシリーズがありまして、
僕が興味を持ったのがむしろこちらでした。
木っ端(こっぱ)に描かれた女性の横顔と
どこかネイチャーなモチーフのものとの取り合わせ。
初めて見るものへの強い“のめりこむ”感じが
静かに鮮烈さをもって迫ってきました。
この取り合わせが放つ強烈な印象は
石原さんの唯一無比な作風としてグングンと
静かにじわじわと深化していって欲しいと思います。
巧いひとは何でもできる、と簡単に言い切ってしまうには
選択する素材とか、構成とかによって
作品の質が大きく左右され、巧いとセンスは別物だという気がします。
いわゆる大作と小品の組み合わせな展示ですが、
「描く」という行為がこのようなインスピレーションを得て、
パッケージされていることへの想いの深さを
こうした作品に出会えることで発見するのは
実は凄いことなんですね。

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