「 山口 和也 展 〜 KAKIAIKKO 〜 」

Category : 現代美術シッタカぶり
2014.11.22〜11.30【 trace 】

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「 TRACES 〜 三人の跡 〜 」と題する
三人の作家による個展の第三弾となる本展は
このギャラリーの運営者でもある
山口さんのライヴペインティング作品の展示です。

やっとこさ来ることのできたギャラリー、と言えるのは
こんなブログをアップしている者には
実はささやかながら、相応な幸福感を味わう瞬間でもあります。
自身のアトリエ探しからはじまったギャラリー開設までのエピソードを
或るサイトで拝見して、なるほど…と思ったのは
そのギャラリー名「trace」の出自。
ここに関わる全ての人の「痕跡」そのものが、
このギャラリーの存在をたらしめる要素であるという
思いが反映されています。
先にも述べたようにここへ来るのは初めてですから
当然、前のお二人の展示は見逃しています。
ただ運営者である山口さんがご自身の絵画作品を発表されるのは
今回が初めてということでいいタイミングで来れたかなとも思います。
この個展を機会にライブペインティングの様子を動画で拝見しました。
タイトルの「KAKIAIKKO」は一人のミュージシャンとステージに立ち、
音の粒立ちを筆先、というよりもいわば山口さんの身体でもって
叩き付けるようにカンバスに表現したその様子は
リズムを穿(うが)つ、つまりテンポを反映したというものでは決してなく
意図、志向、意向などが動く以前の反応で
描かれていると感じました。
これは普通の人がやってもできることではありません。
見ていて、これはグルーヴ、かなと思います。
それ以上はうまく説明できませんが…
だからこそ、結果として(音楽を聴いているわけではないのに)
見ている観客に、その「痕跡」が伝わるのです。
言い換えて“パッション”としてしまうことへの
安直さも勿論あります。
動画を見ていただければわかるように
想像しているものとは違い、もっと静謐で、
深い“受動”が感じられます。

僕の机の前には一枚の個展のDMが貼られています。
今年の1月にここで開催された「光の対話」です。
これも仕事の関係で見る事は叶わなかったのですが、
メインビジュアルであるプロボクサーの
拳の痕跡の顔写真のインパクトが強烈で
手に取った瞬間にビリっと走るものがあったのです。
山口さんがガチンコで対峙する「相手」との「間合い」、
それは長年被写体として一人のボクサーを
追い、向かい、話し、汗の匂いを、印画紙に
焼きつけた息の長いスパンの仕事を
成立させているのは情念のようなものなのでしょうか。

「1対1」というのはビビります。
そこは存在と存在の間に帯びる刺す様に熱い摩擦による
極めて濃密な時間を共有することに他なりません。
人と時と痕跡をこうして作品に深く刻み込む力は
出来上がった作品のみならず、
観客に「誰かと自分」との関係性や人生観までも
今一度思い起させるきっかけとなると思いました。

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