「 中川 裕孝 ~ 川に沿って ~ 」

Category : 現代美術シッタカぶり
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2014.11.25~12.07 【 gallery MARONIE space 5 】

作家にとって、最も面白くて同時に辛い仕事は
何を加えて、何を引く、かではないでしょうか。
乱暴な言い方になるのを承知で言えば、
作品というのは主にこの二つの要素で成り立っているとも
シッタカぶって考えられます。
(勿論例外もあります)

中川さんの“描く”絵の画材はデニムです。
この情報だけでは実は相当に怖いのです。
それは得てして「巧みで(器用で)奇特である」という
「相応な思い込み」も持ち合わせているからです。
冒頭の「足す引く」の話は
中川さんのこの作品についても当然のように
ついてまわるテーマです。
デニムを切り貼りしながら絵を描くという行為そのものは
特別なものではないかもしれませんが
「職人芸」的なものか、そうでないかは
こういう素材感ならなおのこと大きなボーダーラインになると思います。
見たものを器用にデニムで表現したというものは
それ以上でも以下でもありません。
中川さんの中でテーマがあって、
結局はそのテーマに向き合って一定のクオリティを保ちつつ
しっかりと見せる、ということは
「説明的すぎない」という暗黙のルールがあってのことです。
もひとつ、ついでに言いますと「情緒に流されない」ということ。

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DMに使われた写真を見ても、
実はデニムでできているとは知りませんでした。
だから僕は、ある意味で助かったかも知れません。
事前情報で妙な予想をせずに済んだのですから。
実物を見て正直、感激に近いものがありました。
それは中川さんの中で幾度も幾度も検算をしている過程が
作品を見てじわじわとですが、わかるんですね。
最小のパーツで見た者に想像をさせるということは
並大抵のことではありません。
この構図や要素に至るまでに「引き算という作り込み」を
されています。
ここが「説明的すぎない」というルールによって
作品から引き出されるものが明確になってくるわけです。
なぜ、デニムかという質問はあえてしませんでした。
経年や染色の具合や様々な条件でもって
結果的にその色になってるわけですから
これはもう画材を「選り分ける」という作業工程が
大切になってくると思います。

桂川に集う人々の切り取られた一コマは
新しくて懐かしい物語を編んでいるようで
なぜかとても幸せな気持ちにさせてくれました。

「目で触る」というのかな、
目が指先になった感じでした。

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